2012年6月24日日曜日

「閉ざされた国ビルマ」 宇田有三 高文研 2010

 プータオは標高402メートル、人口1万人に満たない山間地にあるが、民間航空機が離発着できるビルマ最北端の町である。著者は2007年1月末プータオからさらに北へキャラバンで18日
行程かけて全員チベット人が暮らすタフダン村に到着した。
 タフダンのチベット人のことをビルマではダルン族と呼ぶ。この周囲には別に三つのチベット人の村がある。1950年代チベット動乱のあおりで越鏡して住み着いた人達である。
 ヤンゴンから実に2200キロのタフダン村では電灯が灯っている。電源は小型水力発電で、発電機は中国から入っている。テレビの映像は、ヤンゴンからの電波が届くはずもなく、すべてビデオである。
 ここからカカラポジ(標高5881メートル、東南アジアの最高峰)は見えない。さらに北へ2日行程のところから見える。カカラポジに初登頂したのは1996年尾崎隆とナンマージャンセン(ラワン名
、チベット名はアンセン)である。カカラポジの名称はタロン語「カカポ(鶏の雌が雛を抱える形)」+
ラワン語「ラジ(山)」の合成語である。